初めてスキーに行ったとき

昔、私が大学生になって初めての冬のことです。
私は初めてスキーに行きました。大学の仲間で20人くらいの集団で。
私は初心者なので、緩いコースでゆっくり滑っていました。
友達と別れてしばらく一人で滑っていると、吹雪になってきました。
寒いし、視界は悪い。
一番下のレストハウスに入って休もうかな、と思ってゆっくりと滑っていきました。
そんなバカな! あり得ない光景を目撃

少し離れたところで、滑っている人がいます。
えっ!!(゚Д゚;) そ、そんなバカなっ!?
その人は、他の人たちと違って、ゲレンデの坂を、下から上に滑っていたのです。
スキーの達人になると、下から上に滑れるんだ!!
私はびっくりしました。それまでの常識が覆されました。
私は理系の大学生でした。物理では万有引力を習いました。
地球には引力があるのに、下から上に滑ることができるなんて。
今まで習った物理はウソだったんだ。さんちゃんの嘘つき!(さんちゃんというのは、私の高校の物理の先生です)
なーんだ、達人の正体は!

私は吹雪の中、ゆっくりとその達人の方に近づいて滑っていきました。
すると、その達人の秘密がわかりました。
っていうか、達人じゃないし。
視界が悪くて遠くからだと見えなかったのですが、その達人はロープに引かれていました。
ロープリフトってやつです。椅子に座るリフトではなく、ロープで引っ張ってもらうリフトです。
そんなリフトがこの世に存在することを私は知らなかったのです。
だから、ロープが見えないと下から上に滑っているように見えたのです。
「なんだ、達人じゃないじゃないか。騙しやがって、ふざけるな!」
と、私は何の罪もない達人(?)にあたったのでした。
勘違いだったとはいえ、それまでの常識がくつがえされるようなことを見たというのは、貴重な経験だったと思!います(笑)。
コメント