AI VS.教科書が読めない子どもたち -AIは常識が分からない

おすすめビジネス本

AI VS. 教科書が読めない子どもたち
新井紀子著 東洋経済新聞社

今日は少し前にベストセラーになっていたこの本を今さらながら読みましたので紹介します。

東大ロボは東大に合格できない

筆者は東大ロボくんプロジェクトに関わってきました。ロボットに東大の入試問題を解かせて合格点をとらせようというプロジェクトです。

結局、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)レベルに合格できる実力はついたものの、東大に合格できるレベルには至りませんでした。

AIは読解力と常識に弱点があると述べられています。

読解力と常識が東ロボくんの壁だった

英語の問題で、単語を並び替え文章を作るというものがありました。

マイコさんが、「この暑いのにあなたはメアリーの家まで歩いて行ったの?」と訊ねます。ヘンリー君は「そうなんだ。だから、着いたとき、すごく喉が乾いていて、 So ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) drink.」と答えました。

So Cold. I asked for something to drink.(寒くて、飲み物を頼んだ)

So I asked for something cold to drink,(冷たい飲み物を頼んだ)

どちらも文法的にはおかしくありません。東ロボくんが選んだのは、先にヒットした答でした。人間だったら、暑いときには寒くないことがわかります。けれども東ロボくんにはそんな当たり前のことがわかりませんでした。

→なるほど。人間って頭いいんですね!

AIに仕事を奪われたらどうする?

ある調査によると、日本の高校生の半数以上が、教科書の記述の意味を理解できていなかったそうです。

人間の仕事がAIによって置き換えられると言われています。AIの頭脳はMARCHレベルです。AIにより仕事を失った人のうち、人間にしかできない知的労働ができる人は全体の20%に満たない可能性があると述べています。

失業率を増大させないためには、奪われた職以上の職を生み出すしかないのです。新たなビジネスを考えて起業するのが、人間が生き延びる唯一の道だと述べています。

→人間にしかできない新しいビジネスを作っていく。大変でしょうけど、やりがいがありそうです。がんばれ、人間!

なかなか興味深い本でした。

「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」

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