たった1日で即戦力になる
Excelの教科書
吉田拳 著 技術評論社

今日はこのExcel本を紹介します。
膨大な時間の無駄を解消できる!
「Excelのデータ処理作業に時間がかかって、それだけで半日終わってしまうんです」
Excelで作られた顧客名簿の電話番号数万件において、全角で入力されているものを1つ1つ半角に打ち直し、さらに電話番号のハイフンを手作業で削除していたのです。
しかしこの作業、ちょっと工夫すれば、1分もかからず完了してしまいます。
このようにExcelの使いかたを知らなかったために膨大な時間を無駄にしている人のために書かれた本です。この本ではVBAによるプログラミングは出てきませんが、関数や操作によって作業の時間を大幅に短縮できる方法がいろいろ書かれています。
知っておきたい6大関数
「真っ先に知っておきたい6大関数」として、IF、SUM、COUNTA、SUMIF、COUNTIF、VLOOKUP の6つの関数の使いかたが説明されています。その応用方法も書かれています。
ダブっているセルを一括で抽出して削除するには、例えばA2セル~A100セルの重複データを探すとき、
(1)私だったら、B2セルに =COUNTIF($A$2:$A$100,A2) と書いて下のB100 セルまでにコピペします。するとB列に重複が無いものは1、あるものは2以上の数が表示されるので、1以外のものを選んでそれぞれ1つだけ残して削除します。
(2)この本では、B2セルに =COUNTIF($A$2:A2,A2) を入れるように書かれています。すると重複したデータがあった場合に、2つ目以降のものが2以上の数になります。ですから2以上になった行を全部削除してしまえばいいのです。
(2)のほうが(1)よりも楽です。このワザは私も知りませんでした。そういった役に立つ使いかたがたくさん書かれています。
平均値は嘘をつく
あらゆる本やセミナーで、平均値を出すAVERAGE関数が紹介されています。しかし弊社のExcel研修ではこれを扱いません。なぜか。それは、数値データを用いた資料作成いおいて、安易に「平均値」を使うべきではないと考えているからです。
例えばある地域の住民の平均年収が600万円だったとして、年収600万円の人が多数派だと判断して、年収600万円の人をターゲットにした家の販売を始めました。ところがこの地域は年収900万円の人々と年収300万円の人々に二分化していました。
このように、平均値は実態とは乖離した認識を与えるリスクがあることに注意してください。
→AVERAGEを教えないというのはちょっと極端な気もしますが。
→この本ではエクセルのノウハウだけではなく、データ分析の考え方まで書かれています。しっかりした考え方をしてからエクセル表を使ってね、と言いたいようです。
というわけでエクセルを使う上でとても役に立ちそうな本です。ただ、少し高度なことが書かれていますから、エクセル初心者には難しいかもしれません。中級者以上におススメします。
あべっかんの エクエルプログラミング初級勉強会

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