図解 使える失敗学大全
畑村洋太郎著
先日のブログでは「まんがでわかる失敗学のすすめ」を紹介しました。その元になる本も紹介します。
成功する方法しか教えないから失敗する

失敗しないようにと知識教育が行われるが、通常、図のように「こうすれば成功する」という一本道を教えられるばかりであり、実際に教えられた道を歩いてみても、必ずと言っていいほど脇道にそれて失敗してしまうのだ。
ではどうすればいいのか? 答えは、自ら最少の失敗を体験して知識を得ることに加え、他人の失敗例から上手に知識を得ることに尽きる。
→他人の失敗例を勉強しておけってことですね。
失敗から立ち直るには

人がうつ状態に陥ってしまう代表的なパターンは、①「目標喪失」、②「越えられない高い壁」、③「先が見えない」の三つだ。
「自分一人ではどうしようもない。だから、周りの人の力を借りて元気をもらおう」と開き直ってしまおう。
→他人の力を借りるためには、日頃から他人にGiveしておこう、とも書かれています。
マニュアルよりも失敗地図を

多くの会社が失敗を避けるために「マニュアル」を作成し、いろいろな指示が書かれており、その通りにやれば確かに失敗しないだろうと思われる内容となっている。
だが、よく読んでみると、マニュアル通りにやらなかった場合、どういうことになるかということについては書かれていないことが多い。そのため、マニュアルに書かれていない想定外の事態に遭遇したとき、まったく対処できないのだ。
必要なのは、「どんな失敗が起こったか」「どうして失敗したか」「どうすれば避けられるか」が書かれている「失敗地図」だ。
→プログラムを書くとき、コメントで説明をつけておくことがあります。
コメントのつけかたにも良し悪しがあります。
Kingaku=a/1.1
というコードに、「aを1.1で割る」というコメントをつけたら、悪いコメントです。書かなくてもコードを見れば分かりますから。
「aは税込みなので税抜きに戻す」
というように、なぜそうするのかを書いておくのが良いコメントです。
マニュアルにも、なぜそうするのかを書いておけば、筆者の言う「失敗地図」になるのではないでしょうか。
失敗経験は貴重な勉強になる、と改めて思いました。
「図解 使える失敗学大全」はこちらで入手できます。
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